「殺処分ゼロの理由」~熊本方式と呼ばれて

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平成21年度の犬の殺処分頭数

熊本市:1頭

滋賀県:606頭

 

以下、本の内容や他の資料から・・・

1.引取数を減らす対策

簡単に持ち込んで「センターにもらわれて良かった」と考えている人が多かった。毎年、笑顔で持ち込んでくる人もいた・・・。

  • 「引取有料化」これは、多くの自治体で実施・検討されています。逆に「買い上げ制度」が平成4年まで続いていた事は知りませんでした。これでは、犬もハブと同じ扱いです。
  • 「安易な引取拒否」この方針にすると、捨て犬・猫が増加するのでは?という懸念は当初からあったそうですが、現実にはそうはなっていません。歴代の所長さんの強い信念が成功に繋がったそうです。時には嫌われても飼い主を問い詰めた事もあるそうです。「本当に飼えないのか?」「何をしているんだ!」
  • 「迷子札を付けよう100%運動」一時的に保護されても、すぐ飼い主がみつかれば、殺処分の減少に繋がる。デザイナーさんやサッカーJ2のロアッソ熊本など地域の協力もあったそうです。

  平成5年度と21年度の比較・・・

  捕獲・保護頭数 1,540頭→435頭 不要犬引取 788頭→18頭

 

2.里親の審査

以前は、仔犬の譲渡会は大盛況で抽選やじゃんけんで決めていて、スーパーの特売会場のような雰囲気だったそうです。でも、その日の内に「やっぱり飼えない」と連れて来る大人もいたり・・・。

  • 「譲渡前講習会」 避妊・去勢手術の同意、家族構成、持ち家か借家かの確認のほか、収容動物の現実を撮ったビデオ鑑賞で一時的な高揚感で飼い始める人への警鐘の意味も持たせる。このビデオで飼うのを考え直した方も居る。この講習会を受けないと譲渡を受ける事は出来ない仕組み

滋賀県と大津市では、譲渡会はなくなり事前登録制になっています。細かい審査を通った方だけがマッチングなどの手順を経て里親になれる仕組みです。

この仕組みは熊本市より進んでいてニューヨーク市の状況に少し近づいて付いて来ているようです!

 

3.ペットショップの対応

全てのペットショップではないようですが、動物愛護推進協議会メンバーのお店で、下記の様な対応をされているショップもあるそうです。

  • 「店頭には客の要望のあった犬種しか置かない」
  • 「流行の犬種を希望する方とは話しあう」本当にこの犬種と暮らしたいのか?大丈夫なのか?
  • 「譲渡会の紹介」ご老人で仔犬との先々の暮らしに不安を覚える方に、譲渡会を紹介して老犬と暮らすようになった方も居られるそうです。

私はペットショップは嫌いなので、これ位の事は全てのお店でして欲しいです。利益ばかり考えていたら無理ですけど・・・。最近、彦根市では大型のペットショップが2店もできたようですが、「激安」とか「業界最安」とかの看板には違和感しか感じません。ニューヨーク市やヨーロッパでは、ペットショップとか展示販売はない所がほとんどだそうです・・・。

 

4.松野頼久衆議院議員

民主党から日本維新の会へ移る事で話題の方。熊本選出なのですね。この方が国会で熊本市の殺処分が少ない事など質問されてから「熊本方式」が全国に広がっていったそうです。少しイメージが変わりました。

 

5.動物愛護推進協議会

市民への啓発活動や上記の対策などを考えて実行されました。他の自治体では形骸化している協議会が多いそうですが、活動資金を企業の補助金制度にお願いされたりして積極的な運営が身を結んだようです。

 

猫の殺処分も劇的に減らす方法が見つかると良いんですけど、犬よりかなり難しそうです・・・。